ecotasコンポストでご家庭から回収したコンポストは、そこで終わりではありません。
コンポストバッグの中で発酵が進んだものは、東京都三鷹市の鴨志田農園さんへ運ばれ、農園でさらに発酵・熟成を重ねていきます。
そうして、畑で使いやすい完熟堆肥として整えられ、やがて野菜づくりに活かされていきます。
今回は、実際に鴨志田農園さんに堆肥作りの様子を見学させてもらいました。
ご家庭で育ったコンポストが、鴨志田農園さんでどのように整えられ、野菜を育てる土づくりにつながっていくのかをご紹介します。
ご家庭のコンポストが、鴨志田農園へ
ecotasコンポストをご利用いただいているお客様のもとで発酵が進んだコンポスト。
この状態のものを、専門的には「一次発酵物」と呼ぶことがあります。
少し難しい言葉ですが、簡単にいうと、ご家庭のコンポストバッグの中で発酵が進んだコンポストのことです。

ecotasでは、回収したコンポストを提携先である鴨志田農園さんへお届けし、農園でさらに発酵・熟成を重ねて、畑で使いやすい状態へと整えていきます。
ご家庭の中で始まった小さな循環が、農園へとつながり、土づくりや野菜づくりへと広がっていく。
その大切な工程を、鴨志田農園さんが担ってくださっています。
畑で使いやすい堆肥に整える「二次発酵」
回収したコンポストは、既に分解・発酵が進んでいます。
ここからさらに、「二次発酵」と呼ばれるプロセスを経て、畑で使いやすい完熟堆肥へと仕上げていきます。
二次発酵で大切になるのが、堆肥の山を混ぜ返す作業で、専門的には「切り返し」と呼ばれます。

切り返しとは、堆肥の山を混ぜ返しながら中に空気を送り込み、水分の状態を整え、必要に応じて副資材を加えていく作業のこと。
こうすることで、堆肥の中にいる微生物が働きやすい環境が整い、発酵がさらに進んでいきます。
熱を持った堆肥の山を、重機でかき混ぜていく
見学当日は、鴨志田純さんがすでに状態を整えてくださっていた堆肥の山がありました。
山の内部はすでに熱を持っており、温度はなんと70度ほど。
微生物の発酵が活発であるほど堆肥の温度が上がるので、発酵がしっかり進んでいることがわかります。

ただ、熱を持って発酵しているからといって、そのまま置いておけばよいわけではありません。
堆肥の山の中に酸素が足りなくなると、発酵の進み方に偏りが出たり、場所によって状態に差が出たりすることがあります。
そこで、重機を使って堆肥の山を大きく混ぜ返していきます。
外側と内側を入れ替えるように何度も混ぜることで、堆肥全体に酸素が入り、微生物が働きやすい状態へと整っていきます。
目の前で堆肥の山が崩され、持ち上げられ、何度も返されていく。
湯気が上がる様子を見ていると、堆肥づくりがただ置いておく作業ではなく、微生物が働きやすい環境を整える、丁寧な発酵のプロセスであることがよくわかります。

水分を整え、微生物が働きやすい環境へ
切り返しの途中には、水分も加えていきました。
発酵を進めるうえで、水分はとても大切です。微生物が活発に働くためには、酸素だけでなく、適切な水分量も欠かせません。
発酵が進むと、堆肥の山の中では熱が生まれ、水分も失われやすくなります。
そのため、混ぜ返して空気を入れたあとに必要な水分を補い、発酵が進みやすい状態に整えていきます。
今回は、全体の状態を見ながら、60Lほどの水を加えました。
こうして酸素と水分のバランスを整えることで、堆肥はさらに安定して発酵を続け、畑で使いやすい完熟堆肥へと仕上がっていきます。

仕上がった堆肥は、再び畑へ
発酵と熟成を経て仕上がった堆肥は、鴨志田農園さんの畑へ還っていきます。
畑では、季節に合わせたさまざまな野菜づくりが行われています。

ご家庭で発酵が進んだコンポストが、農園でさらに整えられ、土を豊かにし、野菜を育てる力になる。
その流れを見ていると、日々の暮らしから生まれる有機資源には、もう一度いのちを育てる役割があることに気づかされます。
コンポストというと、ご家庭の中だけで完結するもののように思えるかもしれません。
ですが、ecotasコンポストの先には、農園とつながり、土を育て、食べものへと巡っていく、もう少し大きな循環があります。

いつもの暮らしから生まれたコンポストが、畑へ還り、次の野菜を育てる。
ecotasはこれからも、その循環の輪を少しずつ広げていきます。